nmi.jp Twitter → @tkihira
高速化の観点から new Array(100) を使わない方が良い理由

リモートワーク・テクニック「紀平式ポモドーロ」の紹介


2020-03-30
Takuo Kihira

新型コロナウィルスによる状況変化により、「リモートワーク」の注目度があがってきています。「思ったより働けない」や「働きすぎてしまう」という話を目にすることが多く、そういう方々に私が取り入れている「紀平式ポモドーロ」が少しでも参考になればと思って、このブログ記事を書きました。

ポモドーロ🍅とは

ポモドーロとはものすごく端的に言うと「25分仕事をする」「5分休憩する」を繰り返す集中方法です。ポモドーロ関連の書籍やネット記事はたくさんあるので、ポモドーロそれ自体に興味のある方は、是非そちらも参照いただければと思います。

この記事を読むにあたっては、「25分仕事をする・5分休憩する、を繰り返す」というのだけを知っていただければ、特に問題ありません。

紀平式ポモドーロ

私の自己流ポモドーロである「紀平式ポモドーロ」も、同じように「25分仕事をして、5分休憩する」を繰り返すことだけです。ただ、5分の休憩は絶対です。どれだけやる気が漲っていても、25分経ったらピタッと仕事を終了させてください。コードやメールが書きかけであっても、簡単に直せるバグが目の前にあっても、25分経った瞬間に鉄の意志で仕事を終了させ、強制的に5分休憩するのです。

この「仕事を絶対に25分で一旦終了させる」というテクニックが、「活性化エネルギー」を減らすことに大きく役立ってくれました。

活性化エネルギー

自分の感覚ではありますが、そもそも日々の仕事で一番大変なのは「最初の1歩」だと思っています。最初に手を動かすことさえ突破出来れば、その後はスイスイと動いていくことが経験上多いです。日頃仕事をするにあたって、私は「最初のエンジンをどのようにかけるか」というのを重要視しています。

自分はそれを「活性化エネルギー」と呼んでいます。活性化エネルギーをなるべく低くして、最初の一歩をいかに簡単に踏み出せるようにするか、というのが仕事の効率に極めて重要でした。

紀平式ポモドーロを導入する以前は、「わざと簡単なバグを残したり、わざとコンパイルが通らない状況で仕事を切り上げる」というテクニックを多用していました。あえて毎日きりの悪いところで仕事を切り上げることを意識していました。わざと「あれを直すだけで動く…」みたいな状態で仕事を切り上げることにより、翌日に仕事を開始する際の心理的ハードルを下げる作戦です。この方法は過去20年ほど、極めて上手く機能していました。

一方で課題もありました。誘惑に耐えきれず、どうしても切りの良いところまで実装してしまうことも多々ありました。また、切りの悪いところを上手く作ることが出来ないことも多かったです。なので安定的に毎日活用できるテクニックではなかったのですが、それらの課題を解決したのが今回の「紀平式ポモドーロ」です。

25分のタイミングで仕事を必ず切り上げることで、強制的に「仕事の切りの悪さ」を作り出すのがポイントです。25分ごとのタイミングでは仕事は途中の状態であることがほとんどですので、次に何から手をつければよいかということはほぼ明確です。なので休憩が終わったタイミングで、スッと元の仕事に戻れることが期待出来ます。

仕事の「活性化エネルギー」を常に低く保てる、これが紀平式ポモドーロの一番のメリットです。「どうにも仕事をはじめる効率が悪い」と思っていらっしゃる方は、このやり方を導入することで効率が良くなるかもしれません。

仕事をしすぎない

ポモドーロで仕事時間をコントロールしていると、今どれだけ働いているのかを客観的に計測しやすいのも大きなメリットです。リモートワークは、気をつけないと際限なくダラダラと働いてしまう側面がありますが、ポモドーロを導入することで25分ごとにその時点の自分の作業量や疲れ具合を見直すことが出来ます。

際限なく働くと、アウトプットはその分増えているのでぱっと見はよく見えますが、1日2日ならともかく、その状態が長く続くと大きなストレスとなって跳ね返ってきます。例えば仕事は1日8時間と決めたならば、8時間を超えた段階で(納期などの縛りがなければ)思い切って翌日の自分に仕事を投げる決断をするのも、今後リモートワークが長く続くことを考えると大切になってくるでしょう。

後述しますが、ポモドーロがハマると仕事の効率が上がり、見えないところでいつも以上に精神的な負荷も大きくなってきますので、1日の作業時間を区切るのはとても大切です。「リモートワークだと働きすぎてしまう」という方は、ポモドーロを導入することで仕事時間をコントロール出来るかもしれません。

休憩

紀平式ポモドーロは、25分経ったら仕事を切り上げ、5分経ったら仕事に復帰することを強いられるので、ある意味時間に追い立てられるように仕事をすることになります。このやり方は、うまくフィットすれば仕事の効率はとても良くなるのですが、一方で仕事を頑張りすぎることで精神的な負荷も大きく高まってくることが多いです。

なので、5分休憩のみではなく、定期的な30分休憩を強制的に取り入れるのが望ましいでしょう。世間では4回ポモドーロのサイクルを回したら(=2時間仕事したら)30分休憩、というのが一般的だとのことですが、自分は疲れやすいので最近は3回(=1時間半)ポモドーロのサイクルを回したら30分休憩することにしています。

またこの休憩時間は、会社のSlackを回って未読チェックや雑談をしたり、メールを流し読みしたり、家でコーヒーを入れたりなど、会社でも気分転換に毎日やっていることを家でもやることを意識しています。なので休憩ではあるもののれっきとした仕事時間であり、8時間の仕事時間はこの休憩時間も含むべきだというのが私の考えです。

ずっと仕事に向かっていると、見えないストレスが溜まります。ただでさえリモートワークで効率的に働いてしまっているので、意識的に多めの休憩を取るようにしましょう。

割り込み対応

一般的なポモドーロでは、25分のサイクルの間には割り込みを遮断して集中する、という風に紹介されていることが多いですが、紀平式ポモドーロでは割り込み対応問題なしです。個人的な意見ですが、リモートワークにおいてレスポンスが滞るのはチームの生産性を下げることにも繋がりかねないので、割り込み対応はむしろ積極的にするくらいが良いと思っています。

紀平式ポモドーロは集中するためのテクニックではなくリモートワークを効率的にするテクニックのつもりです。ポモドーロ中はトイレも行かない、みたいなパターンを好む方もいらっしゃいますが、普通の仕事と同じように、トイレに行きたくなればトイレに、飲み物が欲しくなれば飲み物を取りに、で良いと思っています。

もちろん集中したいときに割り込みを無視する判断をするのは良いと思います。「ポモドーロ中だから割り込み対応を遮断しよう」という画一的な対応を取らないようにしましょう、というだけの話です。それぞれの方にとってやりやすい形がベストでしょう。

コンテキスト・スイッチング

私は、マネージメント、プロジェクト運営、コーディング、採用、など複数のジャンルの仕事を抱えており、それぞれ何時までにどこまでやるかの設定があります。以前はそれぞれの仕事の切り替え(コンテキスト・スイッチングと呼んでいます)に苦労していたのですが、紀平式ポモドーロを使うことでコンテキスト・スイッチングのコストが極めて小さくなりました。

その日、もしくはその週にやらなければいけないタスクをある程度列挙しておき、毎週必ず1スロットはそれぞれのジャンルのポモドーロ・サイクルを回すようにしています。また1日になるべく複数のジャンルの仕事をやるようにしていて、例えば仕様書を書きかけの状態で放置してコーディングし、それも書きかけの状態でインタビューの準備をし、みたいなタスクの切り替えを楽しんでやっています。

基本的には毎回キリが悪いところで終えているので、このように次々と切り替えても次に何から開始すればいいのかが明確なので、仕事にスッと入れるのが魅力です。特にリモートワークの場合は一つの仕事に集中してしまいがちですが、紀平式ポモドーロを導入することによってコンテキスト・スイッチングもやりやすくなるでしょう。

そうはいっても

所詮はシステム、実際の状況にあわせて臨機応変に対応していくのが大切です。自分の仕事が誰かのブロッカーになっていて、それが緊急であれば、5分の休憩なんて無視して全力投入するのも良いでしょう。なんか今日はポモドーロな気分でないという日に、無理にポモドーロを導入してポモドーロ自体に嫌気をさしてしまうのも良くない話です。

あくまで自分の使える一つの方法として考えて、無理をしてまで取り入れないようにしましょう。所詮は仕事を効率化するツールです。「毎日ポモドーロのサイクルをn回やる」みたいな目標は、多くの方にとって良くない目標になることでしょう。

オススメのアプリ

ポモドーロは基本的には25分・5分の繰り返しをするだけなので、携帯のタイマーなりアラームなりで問題なく出来ます。私はiOSで「Focus To-Do」という専用のアプリを導入していますが、無料機能でも十分につかえて便利です。

おまけ

ポモドーロで仕事を管理するときに、ついでに30分ごとに「この時間は何をやったか」とメモをつけておくと面白いです。自分は2月はずっとつけていましたが、「マネージメントに時間を割きすぎている」「他人の手伝いをしすぎている」といった課題を見つけることが出来ました。メモをつけるのが負担になったのでやめてしまいましたが、例えばマネージメントにかける時間はもう少し減らせる、とか、コーディングの時間を最低でも週にどれだけ取る、とか、休憩しなさすぎ、とか、そういったことを考える良いきっかけになったので、なかなか楽しい体験でした。4月もまたメモしてみようかな。

Pomodoro Schedule

こちらが2月中旬のスクショです。当時は休憩を全然入れていなかったので、疲れが溜まっていましたね…。

日々のタスクをこのように30分(25分+5分)の単位で分割し管理することは、生活のユニット化ともいえる発想でした。この考え方は、既存の他の考え方と組み合わせることで、もっと先がありそうな気がしています。

紀平式ポモドーロは、別にリモートワークではない普通の働き方でも使えます。もし興味があれば、是非みなさんの普段の生活に取り入れてみてください。

最後に

なかなか先の見えない状況ではありますが、そんな中でも気分よく仕事が出来るよう、皆で知恵を出し合ってこの難局を乗り越えていきたいですね。疑問点やアイデアなど、コメントはお気軽に @tkihira までお寄せください。