私の前会社がDeNAに買収されてから、今日でちょうど1年になりました。この1年を振り返ってみたいと思います。
個人的には大企業の全うな正社員の経験は初めてなので、非常に不安でした。しかも初日、朝の9時に出社しろと言われて、これはえらい事になってしまったと大変に後悔したものです。買収担当の方が、きちんと我々が9時に出社できているか心配で見に来られたのが面白かったですね（笑）。実際は裁量労働制であり、9時を強制されたのはその1回だけだったのでホッと胸をなでおろしました。
この会社にきて面白かった経験はたくさんあります。特に、入ってすぐにExGameのセミナー等で社会向けに登壇する機会をもらったことをきっかけとして、外で話す機会をたくさんもらえたのはとても貴重な経験になりました。特に今年2月のデベロッパーズ・サミットは、川口耕介さんと自分のキャリアを左右する話が出来たのが良かったです。
社内のチームにも恵まれて、本当にありがたい限りです。私の所属するCTO室はクセのある人材しかいない部署なのですが、その部署を破綻せずにまとめ上げるマネージメントの方々はたいしたものだと思います。エンジニアも對馬正さん、奥一穂さんをはじめとして、才能豊かなエンジニアとの非常に貴重な出会いが多くあり、とても感謝しています。毎日会社に行って、社内のみなさんと話すのが楽しみです。
また社内の気風として、新しいことへのチャレンジをかなり前向きに認めてくれていて、これは嬉しい誤算でした。私の手がけているExGame / Pexのプロジェクトはまさに新規事業ですし、他にもArctic.jsやJSXといったオープンソースのプロジェクトがこの1年の間にDeNAから次々と誕生したのは、エンジニアとしては非常に喜ばしく感じています。ベンチャー精神がこの規模でも残っているのは素敵ですね。
個人的な話ですが、去年の12月頭から今年の1月末まで2ヶ月間、サンフランシスコの子会社に行ったのも実に大きな経験でした。おかげでSFのベンチャーを色々と訪問することが出来て、また時期がちょうど合ったのでラスベガスのCESに顔を出すことも出来ました。これは本当に自分にとって実りのある2ヶ月間でした。また機会を作って是非とも顔を出したいところです。
もちろん不満もあります。当たり前ではありますが、前の会社の方が契約や人事などの手続きが断然早く、必要な人材を即座に採用し、契約もこちら側での検討によって時間をロスすることはありませんでした。今の会社だと社内手続きを踏まねばならず、どうしても時間のラグが出来てしまいます。他にもコンピュータの購入なども申請が必要であったり、大きい組織ならでは当然であろう手続きの煩雑さは、どうしても不満として感じてしまいます。
しかし、社内外を問わずに色々な方々にお会いすることが出来て、皆さんと仲良くなれたことは、この会社に入ってもっとも良かったことです。32歳になって、視野がこれほどまでに広がるとは予想していませんでした。DeNAにおいて、私はどちらかといえば色々な方々に迷惑ばかりかけている気がしますが、これからも少しでも皆さんに貢献できるように努力します。引き続きよろしくお願いします。